週刊金融日記 第720号 いまさら人に聞けないイラン現代史:石油という宝のせいでアメリカに翻弄され続けた悲劇の戦後80年、他
公開日: 2026年03月05日 X
※この記事は2026年03月05日発行の有料メルマガ『週刊金融日記 第720号』のダイジェストです。
// 週刊金融日記
// 2026年3月5日 第720号
// いまさら人に聞けないイラン現代史:石油という宝のせいでアメリカに翻弄され続けた悲劇の戦後80年
// 米イスラエルがイラン最高指導者ハメネイを殺害
// 湾仔の牡蠣レストランが美味かった
// AIがホワイトカラー新卒を置き換えるか
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
週末にアメリカとイスラエルがイランに奇襲攻撃して、最高指導者ハメネイ氏やイラン政府・軍の幹部が一気に殺害されて、戦争が始まりました。それにイランが反撃して、UAEやバーレーンなどの米軍基地を主に攻撃し、ホルムズ海峡が封鎖される、というとんでもないニュースが入ってきました。
数年前なら、こんなことは超大ニュースすぎて、市場的にも大変なことだったんでしょうが、超大国アメリカが、グリーンランドを取るために軍事攻撃も選択肢だ、なんていうことを言い出す時代ですから、もうみんないろいろ慣れちゃって、市場もちょっと動いたんですけど、割と当事国以外は平穏です。まあ、世界的な観光地となり、飛行機の乗り継ぎでも人気のドバイなどは、空港が閉鎖されて、たまたま居合わせた人は大変みたいですが。
ということで、ニュースを見入っていて、いろいろイランや中東の歴史について勉強していたら、メルマガの配信が遅れてしまいました。申し訳ありません。
今週は、イランの歴史について書きました。
★イランはいつか旅行したいんですけどね……。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2028774070691770712
★とばっちりを喰らったのが(中東専門家はこのことを予測していましたが)、ペルシャ湾岸の富裕な諸国ですね。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2028647382041465041
★安価な自爆ドローンを使った攻撃の普及が、いろいろ戦争の形を変えていきますね。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/2028664662712308085
今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
-AIを仕事で使ってみた感想
-大手製造メーカー管理職ですがレガシー製品か流行りの技術に飛び乗るかどちらの道が有利でしょうか
-恋愛工学を勉強中ですがデートしたのに最後までできなかった女性を忘れられません
-他者との会話を思い返して悩むことはありますか
それでは今週もよろしくお願いします。
1.いまさら人に聞けないイラン現代史:石油という宝のせいでアメリカに翻弄され続けた悲劇の戦後80年
イランの歴史って、古代とか中世とか近代とかが面白いんでしょうが、僕はそもそも歴史の専門家でもありませんし、そんなことやってたら、本が何冊にもなり、1年やそこらでは終わらないんで、現代史(第二次世界大戦終結以降)の話を、政治的バイアス抜きにして、ぶっちゃけた身も蓋もないことを書きながら、一気に復習しましょう。
イランの現代史をざっくり言うと、「石油という宝物を持っていたせいで、アメリカに振り回され続けた悲劇の国」ということになります。
【1953年:イギリスとアメリカによる民主的に選ばれたモサッデク政権の転覆工作】
戦後イランがどういう状況だったかというと、「自分たちの土地で採れる石油の利益をイギリスがほぼ独占してボロ儲けしていた」という理不尽な状況だったわけです。当時、イランの石油を牛耳っていたのはイギリス国策企業のアングロ・イラン石油会社(現在のBPの前身)でした。こいつらが、イラン政府に払うロイヤリティよりも、イギリス政府に納める税金の方が遥かに多いなんていう、搾取的な契約を強いていたわけです。
これに「ふざけるな!」と立ち上がったのが、当時の首相モサッデクでした。彼は1951年、石油の国有化を断行します。「自分たちの石油は自分たちのものだ」という、当然の主張をしてイラン国民から支持を得ました。彼は議会で正当に選ばれた、国民から絶大な支持を受けるリーダーだったのです。
ところが、ここで「大国の論理」が牙を剥いてきます。
利権を奪われたイギリスは激怒しますが、第二次大戦後で国力がボロボロになっていたので、自分たちだけでは手が出せません。そこで、当時ノリにのっていたアメリカを抱き込みます。イギリスの外交官たちは、アメリカの共産主義への恐怖心を巧みに煽りました。「モサッデクを放置すれば、イランはソ連の手に落ちるぞ!」と上手く焚き付けたわけです。
これにまんまと乗った(あるいは石油利権に自分たちも食い込みたかった)のが、アイゼンハワー政権下のアメリカです。
そして、悪名高い「アジャックス作戦」が立ち上がります。アメリカとイギリスの諜報機関であるCIAとMI6が組んだ、身も蓋もない政権転覆(レジーム・チェンジ)の秘密工作です。CIAはテヘランのならず者たちや反政府グループを金で雇って、大規模な反政府デモを演出しました。新聞社を買収してデマを流し、軍の将校たちに賄賂を配り、モサッデクを「ソ連の手先の独裁者」に仕立て上げて、追い詰めていったのです。
結果、このアジャックス作戦が成功して、1953年にモサッデクは失脚し、逮捕されてしまいます。
そして、何が起きたか。
第一に、イランの石油利権は、イギリス独占から、アメリカ・イギリス・フランスなどの国際石油資本によって山分けされることになりました。結局、イラン国民の手には戻らなかったわけです。第二に、クーデターに失敗して国外に逃げていた若い国王であるモハンマド・レザー・シャー(Mohammad Reza Shah Pahlavi)が、アメリカの手によって「絶対君主」として復帰させられました。
ここが重要なポイントなのですが、アメリカは自らの石油利権と冷戦の勝利のために、イランが自力で築こうとしていた民主主義を叩き潰して、イランを再び独裁政治に作り変えたのです。
当時のアメリカからすれば「反共の砦を守るための正当な工作活動」だったのかもしれませんが、イラン国民からすれば「泥棒に加担した強盗」にしか見えません。このときの深い恨みが、後の1979年のイラン革命につながっていきます。
こうして、アメリカという強力な後ろ盾を得たモハンマド・レザー・シャー(=パフラヴィー国王)による、26年間にわたる「親米独裁王政」が幕を開けます。
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2.今週のマーケット
●米イスラエルがイラン最高指導者ハメネイを殺害、イラン報復でホルムズ海峡封鎖か(金融日記 Weekly 2026/2/20-2026/2/27)
https://www.kinyuunikki.com/market-commentary/20260301-TrumpTakesKhamenei.html
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3.ブログではいえないお店
-湾仔の牡蠣レストランが美味かった
今週はマカオと珠海(Zhuhai)旅行について書こうと思っていたのですが、先日行ったオイスターのレストランがコスパ良くて、とても美味しかったので紹介します。間が空くと、なんか書くテンションが下がりますからね。湾仔のQRE Plazaにあるお店です。
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4.藤沢数希の身もフタもない人生相談
-AIを仕事で使ってみた感想
最近AIが話題なので、仕事で使ってみました。
いいかげんな仕事をする部下レベルって感じで、確認作業等肝心な2、3割くらいは自分でやらないと怖くて仕方ないです。
単純作業をやらせるなら社会人2年目くらいまでの私より使えそうなので、一人社長ならかなり使えるなと思っています。
単純事務をやりたい大学生(結構多い)には厳しい時代ですね。
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