週刊金融日記 第702号 日本で異常に高まる反中センチメントをアービトラージする方法と中国ビジネス展望、他
公開日: 2025年10月28日 X
※この記事は2025年10月28日発行の有料メルマガ『週刊金融日記 第702号』のダイジェストです。
// 週刊金融日記
// 2025年10月28日 第702号
// 日本で異常に高まる反中センチメントをアービトラージする方法と中国ビジネス展望
// 高市内閣支持率70%以上でスタート
// 大館の飲茶と北京ダック食べ放題ワイン飲み放題のブランチ
// 安全資産なき世界になってしまった話
// 他
こんにちは。藤沢数希です。
週末は米中の通商交渉の様子を見ておりました。どうやら、ことなきをえそうですね。
★レアアースの問題はじつはアメリカ側も中国側も両者にことを荒立てたくないインセンティブがあるわけですね。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/1982688016801144856
どういうことかというと、アメリカにしてみたら「王様は裸」だと言われているようなものです。実際に軍隊が戦うことはほとんどなく、その役目は戦ったらやべぇぞ、と相手を脅しておくことにあるわけで、本当に強い必要はなく、強いと思われていることの方がはるかに重要なわけです。しかし、その根幹がすべて仮想敵に依存しているなんてことをメディアで毎日騒がれたら、アメリカとしてはたまったものではありません。一方で、輸出企業に成長を依存している中国にしてみたら、アメリカが保護主義に傾く中で、自分たちこそが自由で開かれた貿易体制を推進して世界を豊かにする自由貿易の旗手である、と宣伝し、実際にその役目を担いたいわけです。レアアース輸出規制を強めて、西側諸国を敵に回すという構図はなるべく作りたくないし、伝家の宝刀をそんな簡単に抜きたくもないわけですね。
ということで、第701号に書いたような感じで、水面下で粛々とレアアース輸出管理体制は進んでいきそうです。
『週刊金融日記 第701号 中国が見せた必殺レアアースのカードを前に緊迫する米中通商交渉の行方を予測する』
トランプ大統領が、週末にマレーシアで開催されたASEAN首脳会議と、習近平国家主席との会談が実現するのかどうか世界が注目している韓国の慶州(キョンジュ)で31日に開催されるAPEC首脳会議の間に、日本に寄っています。天皇陛下や高市首相と会っているようですね。そして、損したら全部日本が被り、儲かったら9割をアメリカが取り、投資先もすべてアメリカが決めるという世紀のディールを日本と結んだラトニック商務長官も来日しています。
●【解説】 トランプ氏のアジア歴訪、関係国にはどんな得失が……BBC特派員が分析
https://www.bbc.com/japanese/articles/c5y42gyn31jo
●トランプ大統領、天皇陛下と6年半ぶりに会見
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20251027-OYT1T50104/
●赤沢経産相、ラトニック商務長官と浅草・雷門やスカイツリー訪問…関税合意も意見交換か
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20251026-OYT1T50066/
★日本のメディアがぜんぜん騒いでいませんが、ラトニック商務長官が言っているとおりの内容なら、まさに敗戦国の賠償金みたいなものになるんですが、どうなるんでしょうか。
https://x.com/kazu_fujisawa/status/1982347965403730424
今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
-日本では反中国センチメントが蔓延していますがこの印象と実態との大きな乖離をアービトラージする方法を考えています
-レアアース輸出規制が世界経済をぶん殴るとして資産はどこに逃がせばいいでしょうか
-金購入を検討していますがNISAつみたて投資枠に含まれていませんでした
-お世話になった職場なので退職の理由を転職ではなく親の介護にしようと思っています
-藤沢先生のヨーロッパ各国のイメージを教えてください
それでは今週もよろしくお願いします。
1.日本で異常に高まる反中センチメントをアービトラージする方法と中国ビジネス展望
いま水面下で歴史が動くというか、世界のパワーバランスが変わるめちゃくちゃ面白い局面にはあるんですが、それを理解するには、リアリズムに基づく国際政治、レアアースや半導体のサプライチェーンから、アメリカがやってきた対中国制裁(要は1位が2位を必死に叩く)の概要、これまでの歴史なんかが、ぜんぶ分かっていないといけないわけで、かなりの高学歴も含めて大半の人たちはついていっていないと思われます。このメルマガ読者にとっては、そんなに難しいことじゃないんですけどね。
偶然なのか狙ったからなのか分かりませんが、中国に関してちょうど重要なことをメルマガに書き溜めてきたタイミングで、いろいろ米中の対立イベントが起こり、物書きとしては非常に美味しかったわけですが……。
『週刊金融日記 第694号 アメリカの制裁で花開きつつある中国のAIと半導体産業について解説します』
『週刊金融日記 第695号 中国株投資における政治リスクを考える 中国歴史編』
『週刊金融日記 第696号 中国の巨大テック企業について解説します』
『週刊金融日記 第697号 なぜ金はこんなに上がっているのか? 多極化により世界はゆるやかな金本位制へ』
『週刊金融日記 第698号 アメリカの大戦略がトランプ政権下ですでに変わったかもしれない』
『週刊金融日記 第699号 台湾有事は日本有事!安倍晋三の遺志を継ぐ高市早苗総理誕生と5分で分かる台湾の歴史』
『週刊金融日記 第700号 中国が独占状態のレアアースと希少金属:アメリカ経済を破滅させることができるカード』
『週刊金融日記 第701号 中国が見せた必殺レアアースのカードを前に緊迫する米中通商交渉の行方を予測する』
さて、このように最近の世界情勢のニュースは、教養があるとめちゃくちゃ面白い一方、残念ながら、僕たちが何か言ったところで何ひとつ影響力がないのも事実です(笑)。僕たちは、トランプ大統領でも習近平国家主席でもないですからね。まあ、個人トレーダーとしてポジション取って小銭稼いだり、あるいはなくしたりぐらいはできるんですけど。もちろん、週刊金融日記は、Foreign AffairsやHarvard Business Review、あるいは、The Economistなんかとよく並べられる、国際政治やビジネスを扱う権威あるデジタル週刊誌ですから、日本の政治・経済界の指導的立場にある方々が購読されていることは、紛れもない事実ですが。
本来、週刊金融日記は、与えられた環境下で個人がいかに巧みに立ち回るかを考察するミクロ視点を重視してきました。そして、読者の方々の草の根的なネットワークは世界へと広がっています。そこで今週は、激化する米中の対立の只中で、日本育ちの日本人が、反中センチメントが異常に高められている(くわしく解説しますが日本はとりわけ異常値です)状況で、実際には最大の貿易相手国でありビジネスでは最も重要な相手である中国とどう関わり、どう立ち振る舞えばいいか考えたいです。海外ビジネス編です。
なお、日本にいて海外の会社と取引するのも大変ですし、自分が海外に出ていって仕事するのはもっと大変なので、楽にぬるく生きたい日本人は、不動産が安い上に人手不足で仕事もたくさんある日本の地方都市に住むのが一番コスパがいい、というのはもう結論が出ているので、以下を読みましょう。
今週は、もっとバイタリティのある方々向けの話です。
・・・
続きはメルマガを購読 → note、夜間飛行、ブロマガ、まぐまぐ
2.今週のマーケット
●高市内閣支持率70%以上でスタート、レアアースを巡る米中通商交渉はAPECでの習トランプ会談に向け前進(金融日記 Weekly 2025/10/17-2025/10/24)
https://www.kinyuunikki.com/market-commentary/20251026-WillXiMeetTrumpAtAPAC.html
・・・
続きはメルマガを購読 → note、夜間飛行、ブロマガ、まぐまぐ
3.ブログではいえないお店
-大館の飲茶と北京ダック食べ放題ワイン飲み放題のブランチ
先日、香港セントラルの世界一長いエスカレーターの中腹にある歴史的建造物の大館(Tai Kwun)の話を書きました。ここはイギリス領だったころの立派な警察署とかいろいろあって、その建物がお土産屋さんとかレストランになっています。観光客が多いエリアではありますが、ここのレストランはちゃんと地元民も行く割といいレストランばかりなので、自分が観光客ならなおのことオススメです。
・・・
続きはメルマガを購読 → note、夜間飛行、ブロマガ、まぐまぐ
4.藤沢数希の身もフタもない人生相談
-レアアース輸出規制が世界経済をぶん殴るとして資産はどこに逃がせばいいでしょうか
結局、なにを買うのが現時点でおススメでしょうか?
これが「わからせプレイ」なら、わからせたらやめてくれて、喉元の熱さを忘れた関係者はまた株高に踊るかもしれないし、反対に、極限まで膨らんだバブルが大爆発するかもしれないし、ちょっと読めません。
やはり、連日ご指導いただいてるように
金、タワマン、ビットコイン!
と行きたいところですが、タワマンはそうそう簡単に買えるものじゃなく、ビットコインは米国株と連動しちゃうので、ゴールドしか浮かびません。
・・・